「中央公民館分室の今後を考える会~歴史的建造物・旧山吉別邸~」がNPO法人川越蔵の会内のワーキンググループとして発足
2024年2月に新たに発足したのが、「中央公民館分室の今後を考える会~歴史的建造物・旧山吉別邸~」です。
NPO法人川越蔵の会内のグループとして会が発足しました。
「中央公民館分室」があるのは、川越市六軒町2-15-1
県道川越日高線沿いにある「すずのや」さん・「Macky.coffee」さんの長屋がある交差点を北に進んですぐ左手にあります。
川越蔵の会内では毎月事務局長屋にて「建物・まちづくり談義」を開催していますが、その中で特に、会員有志による中央公民館分室の保存活用を目指したグループが発足しました。
令和5年5月に行われたNPO法人川越蔵の会発足40周年記念イベント「蔵フェス2023」で、6つのトークセッションを行ったうちの一つが「中央公民館分室」を議題として取り上げ話し合ったことでした。
そこから始まって継続して活動を続け、今回の会を立ち上げるきっかけとなりました。
平成31年4月から、老朽化のため貸出停止中の「中央公民館分室」。
由緒ある貴重な建築物でありながら、現状は公民館として機能しておらず、存続が危ぶまれています。
「中央公民館分室」という建物は、2度の移築を経て現在の川越市の場所にあります。
まず、東京の三田に久松定謨伯爵邸として建てられた後、小泉八雲長男の一雄氏が昭和3年に三橋村(大宮)へ移しました。その後、昭和14年に川越への移築をしたのは、「山吉」の渡辺吉右衛門氏です。
渡辺吉右衛門氏は当時手広く呉服商を営んでおり、川越の発展に大いに寄与した人物です。渡辺吉右衛門氏なくしてこの移築はあり得なかったと考えられます。
県内初のデパート建築である一番街にある「山吉ビル」(現在は保刈歯科醫院が入っている)との関わりも含め、川越の物資集散と商業都市川越の発展にみる歴史的風致の観点からも、この施設は貴重であると考えます。
中央公民館分室は、川越の貴重な歴史的建造物として、様々な可能性を大いに持つ施設と言えるのではないでしょうか。
今まで、保存と利活用は、ともすれば相反するところがあり、保存にはお金がかかるというのが一般的でしたが、これからは積極的に利活用することで、経済も動かしつつ建物を保存していく「動態保存」という考え方を、広く共有していく必要があると考えます。
今後、さらに活動を前進していくために、NPO法人川越蔵の会のワーキンググループとして、以下の会を立ち上げました。
会の名称:
「中央公民館分室の今後を考える会~歴史的建造物・旧山吉別邸~」
今後以下の活動をしていくことを考えています。
・分室を利用していた団体や周辺自治会のお話を伺い、どのような利用が望ましいのか広く意見を聞き、検討していきます。
・建物だけでなく周りの地域の状況も踏まえ、広い視点に立って、地域全体が活性化できるような利用方法を考えていきます。
・建物の保存のみを訴えていくのではなく、資金面や方法も考え、積極的に提案や協力をしていきます。
建物の今後を考えることにより、以下の可能性を目指しています。
■ 官民連携で事業運営を行うことにより、市の管理負担を減らすことができる。
■ 歴史的建造物を守り、歴史的風致の維持向上を図ることができる。
■ 川越の歴史的コンテンツを繋げた、これまでとは違ったカラーの観光が提案できる。
■ 現在多くの観光客がたどる経路とは異なる経路を提案することにより、回遊性が生まれ、オーバーツーリズム問題解決の一助となり得る。
■ 貴重な歴史的建築物を活用した、地域市民の交流の場として利用できる可能性がある。
建物の周知や保存、利活用のあり方について、川越市と協議を続けながらより良い方向で活動を進めていきます。